配色には、色が持つそれぞれのイメージを引き出す効果があります。色を単体で用いた場合に読み手が受け取る印象は、その色が持つイメージにある程度左右されますが、組み合わせる色によって、そのイメージは強くなったり弱くなったりするため、配色を考える際には注意をしましょう。例えば、青一色の場合には「水」「空」「冷たい」などの様々なイメージが連想されます。この1色だけでは、制作者側が読み手が受ける印象をコントロールするのは困難です。しかし、そこに黄色やオレンジ色を足すことにより「夏」のイメージを表現することができます。同じように赤色1色に茶色や深緑色を足すことにより「秋」を連想させる配色となるのです。 
 また、配色には季節や感情を連想させるだけではなく、個々の存在を定着させる効果もあります。例えば全国チェーンのコンビニや飲食店、銀行などは「コーポレートカラー」を決めて定着させています。配色だけでも、そのもの自体を連想できるため、初めての場所でも、すぐにその店舗を探し出せるのです。 
 さらに、トーンを揃えると調和の取れた配色となります。色相差の少ない類似色でまとめると、おのずとの調和の取れた仕上がりとなります。同じように、同系色でまとめることでも統一感のある印象となります。ただし、類似色や同系色の組み合わせでデザインする際には、しっかりと明度差をつけるよう意識することが必要となります。明度差が少ないととても見づらいデザインになってしまうので注意が必要です。複数の色を使う場合にも、すべての色のトーンを揃えると色の強弱がつかないため、ぼやけた印象になってしまいます。デザインに正解はありませんから、目的によって使い分けるようにしましょう。