フランスの画家セザンヌの作品には、大変多くの「りんご」の姿をみることができます。皆さんもデッサンの手始めとしてりんごを描いたことのある方が多いのではないでしょうか。セザンヌ自身は「りんご1つでパリを驚かせてみたい」などといった発言を残すほど、りんごの描写にはこだわりをもって取り組んでいたであろう姿を伺い知ることができます。セザンヌが活躍した時代ののちに登場するピカソなどにも影響を与えたことから、近代絵画の父などとも呼ばれているようです。皆さん自身もセザンヌの構図やリズミカルな色彩描写を真似てデッサンに取り組んでみたことなどあるのではないでしょうか。現代においては世界的に有名な画家として知られるセザンヌですが、その存在や作品が評価されはじめたのは晩年であったそうです。セザンヌが亡くなる10年ほど前にようやく初の個展を開き、そこから画家としての注目を集めるようになったそうです。皆さんには、セザンヌのような生涯を貫きとおせるような夢はありますか。私自身は、セザンヌのよう志をもって絵を描くことに向き合えるとは考えられませんが、セザンヌの絵画を見る度に、なぜか額縁には入れられていないキャンバスのままの絵画をイメージしてしまうのは、絵画は額縁に入れるためだけに描くのではなく、自分自身の成長のために描き続けるのだとメッセージを受け取っているように感じています。

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