『フランス王シャルル7世の肖像』の額縁は、イタリアの祭壇画の背景を彩るような光り輝く金箔手法は使われていないそうです。フーケ自身がこの額縁の模様を描いたかどうかは分からないそうです。でも、ち密なディテールの描写やトロンプルイユの手法にはフランドル派の影響を見て取れるそうです。フーケ以前には、ロワール周辺で、すでにネーデルラントから来た画家たちが活動していたそうです。その中には、シャルル7世の宮廷画家もいたそうです。ヤン・ファン・エイクのように石模様を描く技術や様式を知った北方出身の画家にフーケが影響を受けたのではないかともいわれています。フランドル風の簡素なデザインや銘文の書かれた木枠は、シャルル7世の肖像の額縁にも共通しているようです。建築的な窓枠と墓碑のように二重の意味をもたせようとしたと考えられます。