五世紀の初めに建立されたサンタ・サビーナ聖堂。ローマの南、テベレ川のほとりにあります。そのサンタ・サビーナ聖堂の正面入り口の扉には、浮き彫りが残っているそうです。28枚の木製パネルによって構成された扉の全体に聖書のエピソードが彫られているとのこと。それぞれのパネルには額縁のように装飾された枠が囲っています。キリストの磔刑、キリストの昇天など、聖書のエピソードが綿密に彫られているそうですが、そのパネルの周囲には、植物の葉の連続模様が、その同じ板の上に絵画とともに掘り出されているそうです。その一枚、一枚は、パネルの扉の装飾といったものではなく、絵画を取り巻く額縁そのもののようだそうです。また、浮き彫りとその装飾の枠の間には平らな緩衝部分が設けられていて、それが絵画と額縁を仕切る余白の役割を果たしているそうです。