芸術家たちの技巧や技法が一般的な人びとの間で大きな関心事として注目を集めはじめたのは、レオナルド・ダヴィンチのなした偉業が大きな起点となっていると考える専門家たちがいるようです。美術史を振り返りながら芸術家たちの立場や存在を検証してみますと、キリスト教と深い結びつきがあったような時代においては、作品も作家自身も個を主張することを避けなくてはいけないような圧力が芸術家たちに覆いかぶさっていたよな風潮が世の中にあります。神の存在絵画や芸術作品として伝えることが芸術家たちの使命であり、そこには芸術家としての「個」が存在してはいけないような時代が続いていたようです。そんななかでもレオナルド・ダヴィンチの偉業を一目みようと、駆けつける人びとの姿があったという記述をみかけるにあたり彼の芸術家としての存在が世に認められていた証となるのではないでしょうか。