初期の絵画と言われている祭壇画は、その名称でもわかる通り宗教的要素の強い絵と言っていいでしょう。そこには象徴となる古代神殿なり聖堂の顔ともいえるファザード形式のデザインがほとんどでした。これは絵画のみならすそれを取り囲んでいた枠(その後額縁となるようなもの)に同じようなことが言えました。初期の祭壇画を取りかこむ枠は、まさに神殿の姿そのままといったデザイン様式がよく見られていました。これは時代をさかのぼるほどその傾向は強かったと言われています。そのような時期がしばらく続いたあと、宗教とは少しかけ離れたような純粋に美術的デザインともいえるようなものが出始め、これらを過度的なものとして少しづつ現代に通ずるデザインへ変わっていったと考えられます。例えば十字の花弁型モチーフなどのその良い例と言っていいかもしれません。